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『バズー!魔法世界を詠む』 これまでのあらすじ
『テオの日記』 - それから

ロット・クレイスは数々の功績を認められ、パル教会大司教となった。
彼はあの戦いで手に入れた「テリスの書」の研究解読に熱中し、日々を忙しく過ごしている。

ミマス・リーニアンは、大司教となったロットと共に暮らしていたが、ネーリアでの生活に馴染む事が出来ず、住み慣れた荒野へと帰っていった。

ミレーヌ・デュプレは、サーセス帝国の実権を託される事となり、密偵達を相手に忙しい毎日を送っている。

ダルネリア独立に尽くしたセダンテスは、次期国王とも目されていたが、ダルネリア独立後には何処かへと姿を消してしまった。

彼に付いてデュエルファンからの独立運動に従事していたガーランドは、それが実った後もダール再建のために働いている。

奴隷商人の船を奪い、狼人間達の村へ戻っていったバイセンは、今日も大海に船を走らせている。

ベリアルは、ラモス村村長となった。
彼はワイバーンと戦った勇者として、辺境部族を束ねる英雄となったのだ。

エルフ王シュレールは、森から動かなかった。
彼はクォーラスへと亡命を求めるベラニード族の声にも、ついに応えなかった。

死闘をくぐり抜けたサリア姫は、相変わらずクォーラスでの生活に退屈し、今日も密かに旅の計画を練っている。

フェール・ブラントは漂泊の吟遊詩人として、古の詩を集めに旅立っていった。

ナルメア・シェンは、ラルファンの国王として魔術師の育成に力を注ぎ、若い者達の指導に積極的に当たっている。

ロマール・ブレスは、ガゼルファン帝国騎士団長に就任した。
彼はその後も、皇帝の側を決して離れなかった。

第26代ガゼルファン帝国皇帝は、古の地ファームにその国を構えた。
帝国民の子孫を名乗り、皇帝の復活を望んでいたファームの長は喜んでそれを迎え入れた。
イアルティスの諸侯達も、世界を救済した者には小さすぎる報酬だと語った。
この小さくも肥沃な大地に、テオドールは今日も立っている。
ベラニード族が眠る地の上で、民を守る一人の王として。






























そして、あの戦いから十年の月日が流れた。
魔王オルヘスとベラニード族の滅亡により、平和を取り戻したかに見えたイアルティスは、再び邪悪な影に覆われようとしていた。

突如として現れた影の魔物ベリクァドは、世界中の魔術の使い手に襲いかかった。
流された血はあまりに多かった。
ナルメア・シェン、そしてロットも、その犠牲になった。

かつての英雄達は、エルフ王の導きにより古き者スキュラを訪ねた。
そしてベリクァドがバズー!と呼ばれる魔法石によって作り出される事を知った。
バズー!を求め、失われた都パメラを目指す英雄達は、次元回廊の隠されたウルの島へ向かうのだった。

GA3029年
戦いは続いていた。
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