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『wizardryで物語る』 Appendix Story
彼らに纏わる話 001

悪パーティが鳴りを潜める内に、トランブルで巻き起こっていた迷宮事件は解決されてしまいました。
おまけに冒険者を大量に呼び込む方針を指揮していたハルシュタインが城を逃げ出したらしく、街での彼らの扱いまで宙ぶらりんに。

自分達の立場を守るため、役人に袖の下を渡し政治的工作を計ってきたアイリーン。
トランブルに来てからのそんな地道な行動は、それが軍警察長ハルシュタインにまで通じていて、いずれ大きな力に関与するという前提があっての事でした。

彼女は氷のような表情で烈火の如く怒ると、サイードに忍者に戻れと命じます。
そしてその美しい髪を指で弄びながら、「それ」を喋れる状態で持って帰るか、首で持って帰るか、どちらがよりよい効果を上げるだろうと考えるのです。

洞窟の片隅で、一度は捨てる事が出来たレベリオの技術と影に向き合うサイード。
「気付いてるんじゃろ? 今更別のものになんてなれる訳がないんだ」
オクサナはIHALONを唱えながら、彼に語りかけます。
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