『キニス・プルウィア』 - 002
ネフロネフロの街は活気に溢れている。
都会の喧噪に紛れたキニスは、その波に揺られながら新しい日々を過ごしていた。
人が捌けた闘技場の清掃員を眺めて昼が過ぎ、酒場で強面のハスラーと勝負に興じて夜は更けた。
そして誰かが流したジュークボックスのくすんだ音で、安宿の朝は訪れる。
窓の外に見える誰しもに、日常があった。
キニスは盗賊団騒ぎでフィルムを失った映画館に一本の映画を届け、感謝された。
ふと、自分の過去に想いを馳せる。
そういえば、コニーが一度ナツメッグ博士に診てもらえと言っていた。
ネフロモーターズご自慢の四輪を駆り、化石発掘現場を横目に見ながら、彼はピジョン牧場へと出掛けていった。